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耳の症状(中耳炎・耳鳴り・難聴など)

 耳が痛い(耳痛)

耳の痛みの多くは耳自体に原因があることが多いですが、中には耳に異常が無く他に原因がある場合もあります。これを関連痛と呼びます。関連痛による耳の痛みは全体の20―50%にも上ると言われており、耳以外の診察も重要です。当院では何が原因かをしっかり診断した上で、診療を行うよう心がけています。

お子さまの耳の痛みの原因は?

耳が痛い女の子

お子さまで耳が痛い場合、最も多いのが急性中耳炎です。
多くは鼻風邪の後に遅れて痛がります。これは鼻の菌が耳に入って、炎症を起こし、うみが溜まるためです。子どもは大人に比べて耳の管が太く短く、傾きが水平に近いため、菌が耳に入りやすいためよく中耳炎を起こします。
小さい頃はかぜと中耳炎をセットで繰り返すことも多いと思います。

治療法は?

中耳炎になった場合は、しっかり処方されたお薬を飲んで、うみがなくなるまできっちり通って頂くことが大切です。期間は早くても1か月、うみが多い場合は2-3か月かかることもあります。長くかかっても治療すれば、治るのが中耳炎です。根気強く頑張りましょう。

予防策は?

よく中耳炎になるお子さまは、鼻が出たなと思ったら、早めに受診して頂き、鼻水を吸うことも効果的だと思います。また、こまめに鼻をかむことも予防策になると証明されています。

大人の耳の痛み

耳痛い大人

痛みには①炎症・刺激によるもの②神経が障害されることによる痛み⓷ストレスなど社会的要因によるものが考えられます。当院では痛みの原因を診断し、痛みを和らげる治療を行います。

急性外耳炎や外耳道湿疹

どんな病気?

耳掃除

大人でよくあるのは、耳かきのし過ぎによる急性外耳炎外耳道湿疹です。耳かきで耳垢を奥に押し込んで耳垢が詰まっている場合もあります。

症状は?治療法は?

耳の痛み、かゆみ、耳垂れ、耳詰まり感などが起こります。 治療法としては、急性外耳炎を治療する前に、外耳道に残っている耳垢や耳垂れを取り除きます。これらにも細菌などが感染していることがあるためです。外耳道をきれいにしたら、次に外耳道の消毒を行います。ご家庭でも点耳薬などを使って治療を行います。

慢性中耳炎

どんな病気?

慢性中耳炎

もともと鼓膜に穴があいている慢性中耳炎の方は、ときどき感染を起こして耳の痛みを感じることがあります。

症状は?

耳垂れ、難聴などの症状が起こります。進行するとめまい・耳鳴を伴うこともあります。

治療法は?

当院ではまず耳垂れがあればその細菌検査を行い、原因となっている細菌を同定します。その結果に従い感受性のある抗生物質を点耳したり、内服したりします。MRSAなど難治性の菌が検出された場合は耳洗いなどの局所処置も行っています。根本的には鼓膜の穴をふさぐ手術が有効ですので患者さんの希望に応じて手術治療ができる病院へ紹介をいたします。

耳ヘルペス(耳性帯状疱疹)

どんな病気?

頻度はあまり高くありませんが、まれに起こります。水ぼうそうと同じで、それが耳に出来る病気です。

症状は?

まず耳に激しい痛みが起こり、数日後に水疱ができます。水疱は耳の外から見える部分にできることが多く、片耳だけに現れます。この病気は神経がウィルスに感染して起こるので、感染した神経によっては顔面神経マヒ、難聴、めまいがおこることがあります。中には水疱など外見の異常がなく痛みだけの症状の場合もあります。

治療法は?

原因となるヘルペスウィルスに直接作用し繁殖を抑える抗ウィルス薬とステロイド薬が基本です。場合によっては入院が必要になることもあります。
通常1週間で症状は治まりますが、治療が遅れると顔面マヒや難聴が残ることがあるので早めの受診が大切です。

耳介軟骨膜炎

どんな病気?

耳全体が赤く腫れあがり、ひどくなると熱を持ち激く痛み、全身の発熱も伴います。放置すると耳を形成する軟骨が壊死し、耳が変形することがあります。

治療は?

抗生剤を使用して早く炎症が治まるように治療します。重症の場合は入院が必要となることもあります。

その他、耳に異常がない痛みの場合

耳に異常がない場合、原因としてよく見られるのは虫歯、顎関節症、歯周病などです。他にもよくある関連痛として口内炎、急性扁桃炎、舌炎などの急性炎症があります。また、稀な病気ですが見落としてならない病気として口腔がん、咽頭がん、舌がんなどの悪性の病気も原因となります。
原因をきちんと診断した上で、適切な診療を行っていきます。
おかしいな?と思ったら早めの受診が大切です。お気軽にご相談ください。

耳垂れが出る(耳漏)

耳から汁が出る病気としてはいわゆる外耳(鼓膜よりも外側)が原因の場合と中耳(鼓膜より内側)が原因の場合があります。

急性外耳炎

日常よくあるのは耳かきのしすぎによる急性外耳炎です。汁がなかなか止まらないと耳にカビが生える(外耳道真菌症)も起こるので耳かきのしすぎは要注意です。

→詳細は耳痛の急性外耳炎にジャンプ

急性中耳炎

2歳以下のお子さんは急性中耳炎が重症化する場合があり、膿が溜まりすぎると鼓膜を破って外に膿が汁として出てくる場合もあります。また滲出性中耳炎の治療として鼓膜にチューブを入れている方は時折チューブ感染を起こして汁がでる場合もあります。

→詳細は耳痛の急性中耳炎にジャンプ

慢性中耳炎

もともと鼓膜に穴が開いている方も風邪などを引いたことがきっかけで耳から汁が出ることもあります(慢性中耳炎)。

→詳細は耳痛の慢性中耳炎にジャンプ

耳が詰まった感じがする(耳閉塞感)

耳の詰まった感じは耳のいろいろな部位が原因で起こり得ます。

耳垢塞栓

耳が詰まる大人

耳垢塞栓(じこうそくせん)とは、耳垢が詰まってしまい、耳の穴が塞がってしまうことをいいます。耳には自浄作用が備わっていて、通常は食事や会話などで顎を動かすことで耳垢を鼓膜から耳の外へと押し出すことができます。しかし、耳掃除を誤った方法で行うことで、耳垢を奥へ押し込んでしまうことがあります。

予防策は?

1か月に一回程度、耳の入口から1センチ程度の範囲を軽く掃除するにとどめておきましょう。小さいお子さまで気になる方は、受診して定期的に耳掃除を行うこともおすすめしております。

外耳道異物

お子さまがBB弾などの異物を入れて起こる場合もあります。

耳管狭窄症

どんな病気?

耳の管が狭くなり、空気の通りが悪くなる病気です。

症状は?

耳が詰まった感じが多いのですが、自分の声が響くなどの症状も出ます。また風邪の時に飛行機に乗り、耳詰まりや痛みを起こす「航空性中耳炎」は最も軽い耳管狭窄症と言われています。

治療法は?

耳管通気療法といって、鼻から金属製の管を入れて、空気を送り込む方法です。また、風邪症状と共に治ることもあるので、風邪の治療で様子を見る場合もあります。

予防策は?

風邪や副鼻腔炎などによって鼻やのどに炎症をおこすことで症状がでることもありますがもともとの体質や鼻すすりのくせなどで耳管が狭窄しやすい方もおられます。鼻をすすらず、鼻をかむようにすることも予防策になります。

真珠種性中耳炎

どんな病気?

真珠腫中耳炎とは、鼓膜の一部が中側にへこんで袋状になり、そこに耳垢などが溜まっていく病気です。

どんな症状?

初期はほとんど症状が出ませんが、ある程度進行すると耳垂れ、難聴、めまい、顔面神経麻痺などの合併症が起こります。

治療法は?

当院ではCTを用いて検査を行い、手術ができる総合病院へご紹介致します。

中耳腫瘍

中耳腫瘍とは、中耳内にでえきる腫瘍の総称であり、良性のものと悪性のものなど様々なものを含みます。こちらも手術が必要なため、当院では適切に診断した上で、総合病院へのご紹介をさせて頂きます。

その他の病気

最近体重が極端に減少した方などは耳管開放症を起こしている場合もあります。
内耳が悪くなる病気としてはある日急に聞こえが落ちる突発性難聴や若い女性やストレスが強くかかっている方によく起こる低音障害型感音難聴メニエール病なども耳の閉塞感を起こす病気としては有名です。

耳の聞こえが悪い(難聴)

難聴は様々な原因で起こりますが、重要なことは難聴の症状の起こり方です。

突発性難聴

どんな病気?

突発性難聴は文字通り、ある日突然聞こえが悪くなる病気です。耳の中の循環障害、あるいはウィルスによる内耳障害と言われていますが、詳しい原因は不明です。

症状は?

急に片耳が聞こえなくなる、耳鳴がする、自分や他人の声が響いて不快に聞こえるなどです。

治療法は?

聴力検査による診断をした上で、内服あるいは点滴によるステロイド治療を行います。治療によって改善が見込める時期のタイムリミット(約1ヶ月と言われています)がありますので、早急に耳鼻咽喉科を受診して診断をつけて治療に移る必要性があります。状況によっては、入院をおすすめすることもあります。

その他に急に起こる難聴

急に起こる難聴としては低音障害型感音難聴外リンパ瘻などがありますが、いずれも早めの治療開始が重要です。

加齢性難聴

どんな病気?

徐々に聞こえが悪くなる病気として最も多いのは加齢に伴う加齢性難聴があります。

治療法は?

難聴は認知症発症の重要な原因となりますので、体力や気力に余裕があるうちに補聴器を装用することをお勧めします。基本的には日常生活に支障がある場合は補聴器で対応します。
当院では毎週月曜日と金曜日の午前中に「認定補聴器専門店」から認定補聴器技能者が来院します。患者さまのご要望をじっくり伺った上で、補聴器の相談を受け付けております。数か月間の無料貸し出しも行っております

耳硬化症

どんな病気?

加齢性難聴よりは頻度は低いですが、耳硬化症も徐々に聞こえが悪くなります。硬くなった耳小骨を人工のものに変えることでとても聞こえが良くなります。

その他のきこえの病気

また小児と高齢者に多い滲出性中耳炎も難聴の原因としては重要です。「テレビの音量が大きい」、「後ろから声をかけても反応しない」など徐々に異常に気がつくこともあります。再発をする滲出性中耳炎には鼓膜にチューブを入れる手術を行います。また滲出性中耳炎上咽頭腫瘍など悪性の病気のサインになることもあるので丁寧な診察が必要です。

耳鳴り

耳鳴り女の子

耳鳴りを一度でも経験された方は多いことと思います。実際耳鳴りを主症状として耳鼻咽喉科に受診をされる方も多くおられます。診察の結果、突発性難聴メニエール病低音障害型感音難聴聴神経腫瘍など原因となる病気の診断がついた場合はその治療を行うことで対応します。ただ最も多く見られる加齢性難聴に伴って生じる耳鳴りは現在有効な薬はあまりありません。耳鳴り治療のガイドラインではカウンセリングが重要とされています。当院ではカウンセリングのほか、耳鳴り補聴器での治療も行っています。

めまい

めまい女性

めまい症状は耳鼻咽喉科を受診する患者さんの中でも最も多い症状の一つです。グルグル回るような回転性のめまいの場合やふわふわするなどの非回転性、浮動性のめまいに大きく分けられます。めまい症状で重要なことは症状が強く出ているうちに早めに受診をすることです。そうすることで正確な診断に辿り着きやすくなります。時間が経ってしまうと症状が弱くなり、診察や検査で異常が出にくくなります。また、あまり頻度は多くありませんが、めまいは脳梗塞や脳出血など命に関わるような病気の症状の一部のこともあります。
良性発作性頭位めまい症メニエール病前庭神経炎などは耳鼻咽喉科で診断する代表的なめまいです。診察では聴力検査、眼振検査、重心動揺計などを組み合わせて行います。

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